脱毛っていつの時代から行われているの?
美しくなりたい女性の想いは、はるか昔から現代まで、変わらないようです。
脱毛の歴史
脱毛が行われ始めたのはなんと紀元前!
考えうる知恵を絞って、あらゆる手段が生まれました。
紀元前4000年以前
この時代はまだ狩りが行われ、石器が盛んに作られるようになった時期。
道具を使う、ということを覚えたことによって、脱毛にも応用されるようになりました。
鋭い石器や、動物の歯牙などを利用し、擦切るように脱毛が行われていたと言われています。
紀元前3000年~4000年代
この時代、地中海エリアや古代オリエントでは、すでに脱毛が行われていたと、歴史的文献に記述があります。
地中海エリアの女性は、紐を利用し、毛を挟んで抜く方法を編み出しました。
今でも同じ手法で脱毛を行っている地域があるほど、地中海エリアでは一般的な手法です。
一方、古代オリエントにはハレムがあり、女性は特に身だしなみへ注意が必要でした。
そのため、この時代ですでに脱毛剤が作られるなど、高い美意識を持っていたようです。
成分はイオウ、石灰を主にしたもの。
これらをでんぷんや水と合わせ、ペースト状にしたものが脱毛剤だったそうです。
ワックス脱毛に近い方法ですが、どのくらいの脱毛効果があったのか、気になりますね。
紀元前0年~紀元前1500年頃
この時代には、エジプトでも脱毛を行う女性が現れ始めました。
当時の女性が考え出した脱毛剤は、カバの油と焼いた葉(ハス)を油を混ぜたもの。カメの甲羅に入れて保管していたそうです。
そして、紀元前30年頃は、かの三大美女クレオパトラの時代です。
彼女もまた、蜂蜜、レモン、砂糖で作られた脱毛剤を使用していたと言われています。
ムダ毛の処理は、すでにマナーになっていたんですね。
ピラミッドなどから出土した品の中には、カミソリもあったそうです。
青銅で作られたものが主流ですが、現在も理容師さんが使っているような長い刃のものもあったそうですよ。
その他にも、ピンセットや毛抜きを使っていたシュメール人、縄を肌の上へ転がし脱毛していた古代アラビア人など、地域によって脱毛方法はそれぞれ。
ローマの浴場では、この時代から男性も毛抜きで、処理を行っていたそうですよ。
8世紀~12世紀(平安時代)
平安時代になると、日本人女性も脱毛を意識し始めます。
貴族の女性たちが最初に整えたのは眉と額の形。
理想の額となるよう、毛抜きでいらない毛を抜き、ひたい墨で書き足すなどしていたそうですよ。
この時代は、顔以外の部分は、脱毛対象ではなかったんですね。
また、毛抜きが登場した……とはいえ、この時代の毛抜きは高級品。
同じ貝ならぴったりと合わさるハマグリの特性を利用して、毛を抜いていた女性も多いそうです。
有名な枕草子「ありがたきもの」の中にも、「毛のよく抜くるしろがねの毛抜き」という記述が残されているほど、毛抜きが重宝されていた時代です。
17世紀~19世紀(江戸時代)
江戸時代には遊郭で働く遊女の全盛期。
人に見られる仕事である彼女たちにとって、脱毛はとても大切な身だしなみでした。
眉などは毛抜きで抜けば良いのですが、VIOは抜いてしまうと生えてくる際チクチクしてしまい、仕事に支障が出ることも。
そこで、二つの小さな軽石でムダ毛を挟むようにし擦り切ったり、線香の火で一本一本焼き切ったり、といった方法が主流でした。
脱毛剤も作られるようになり、砕いてパウダー状にした軽石と、木の実オイルを混ぜたものを多くの女性が使っていたようです。
これは、いわゆるワックス脱毛で、直接手でムダ毛部分に塗り、摩擦で毛を減らしていく方法でした。
ただ減らすだけではなく、うぐいすのふんやへちま水などでケアを行うなど、アフターケアも万全だったようです。
19世紀(江戸時代~明治時代)
この頃から、世界の技術が一気に躍進したこともあり、永久脱毛へ興味を持つ専門家が増えました。
何とかして一生生えない状態にならないものかと、様々な脱毛方法が検討された結果、
「肌に硫酸のような強い液体を流す」
「毛抜きをした後に、汚れた針を刺す」
といっためちゃくちゃな方法も多く、肌を台無しにしてしまった女性も多かったとか。
その後、アメリカの眼科医が電流を使った永久脱毛法を考案します。
チャールズ・E・ミッチェルが考案したこの方法は、電気分解脱毛法の始まりだと言われているもの。
この方法ではまず、発毛を促す組織へ直接電流を流すことで、組織液を分解します。
その際、生成されるアルカリ液が毛の組織を破壊するというものでした。
しかし、理論は問題無かったものの、処理に時間がかかり過ぎるという点があり、残念ながら実用化には至らず、次の時代を迎えます。
1900年~1910年代
ここからは電気分解脱毛の黄金時代。
1904年にX戦を利用した脱毛が研究されましたが、副作用が大きいこともあり電気分解脱毛がメインとなっていきます。
X線の方法は、シミ、シワ、傷ができてしまうだけでなく、施術から10年後程度経過したころに、皮膚ガンになってしまう女性が増えてしまったそうです。
チャールズ医師の後に続くべく、1916年。
アメリカのポール・N・クリー氏が、6~10本のプローブを使用可能にしたマルチブルプロープ電気分解脱毛器をなんと販売!
実際に脱毛器が市販される時代の到来です。
ポール氏が電機脱毛市場で熱心に活動した結果、医師ではない、脱毛士と呼ばれる仕事も生まれていきました。
今でいう脱毛サロンの基だと言えますね。
1929年~1950年代
1924年には、フランスの医師、アンリ・ボルディによって高周波脱毛が考案されます。
この方法は、高周波電流を流すことで、毛の組織を凝固させてしまうというもの。
電気脱毛よりも、安全で早く、確実に脱毛できると次々に普及していきます。
1945年には電気脱毛法と高周波脱毛法を合わせたブレンド脱毛(ニードル脱毛)が開発されるなど、脱毛方法を選べる時代に突入していきました。
1960年代
1960年代に入ると、日本では洋服が大人気。
これまでは着物で隠されていたムダ毛を意識しだす女性が増えたと言われています。
遊女と呼ばれるような女性だけでなく、一般的に脱毛がマナーとなっていきました。
1970年代
1970年代には、日本へブレンド脱毛器の輸入が始まります。
気軽に通えるエステサロンが増え、電気脱毛技術者から施術を受けられるようになっていきます。
この頃から国内でも脱毛器の開発が盛んに行われるようになりました。
アメリカ人の薄い毛ではなく、日本人向けの脱毛器が製造され、ブレンド脱毛とフラッシュ脱毛を使い分けることのできる機械も生まれました。
1980年代
1980年代にはいよいよレーザー脱毛器が登場します。
1983年、ロックス・アンダーソン博士(ハーバード大学)によって選択的高熱融解理論が発表されたのです。
この理論は、レーザーの波長や照射の時間を調整することで、黒や茶色をした毛の組織のみへ反応させることができるというもの。
脱毛サロンでは、毛根の黒い部分に飲み光を反応させ脱毛を行いますので、現在の脱毛方法とほぼ同じだと言えますね。
ロックス博士の研究結果が、2020年を迎える今も、女性たちを救っています。
1990年代
1997年、日本にレーザー脱毛器がやってきます。
それまでの脱毛は、ブレンド脱毛(ニードル脱毛)が主流で、針を刺すためとにかく痛いというデメリットがありましたが、レーザー脱毛器の普及で脱毛を考える女性が急激に増えた時代です。
しかしまだ、この時期は光の強いレーザー脱毛しかない時期。
レーザー脱毛は、医療機関で医師しか取り扱うことができませんでした。
1990年代は、メンズエステが大幅に増えた時代でもあります。
ヒゲや胸毛、膝下の毛など、男性もムダ毛を処理する時代が到来したのです。
2000年代以降
日本エステティック研究財団から、レーザー脱毛よりも出力を抑えた光脱毛の安全テストを開始、治験は成功します。
その結果、医師でなくても扱える光脱毛のおかげで低価格の脱毛サロンが増えていきました。
こうして、ブライダルやエチケットとして脱毛は当たり前のものとなったのです。
手ごろな価格で確かな脱毛を行える時代。
家庭用の脱毛器も普及するようになりましたが、丁寧な施術を行いたいなら脱毛サロンを選びましょう。
どのサロンも、予約でいっぱいの状態が続いていますよ。
さいごに
紀元前から行われていた女性にとって欠かせない脱毛という行為。
早く、安全に、そしてお小遣い程度の価格で、脱毛ができる時代に生まれたことに、感謝したいですね。
また、光脱毛の登場で、脱毛の歴史は終わり……ではありません。
今も、様々な人たちが、より痛みが少なく、早く抜ける方法を探し、研究を続けています。
脱毛の最新情報から、今後も目が離せません!
